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国外居住親族の扶養控除手続き 年齢制限と送金証明のポイント

国外居住親族の扶養控除手続き 年齢制限と送金証明のポイント

海外に住む家族を持つ外国籍従業員から「扶養に入れたい」と相談され、対応に困っていませんか。

国外居住親族を扶養に入れるには、国内とは異なる要件や添付書類の準備が必要です。

本記事では、手続きに必要な書類や対象となる年齢条件、実務上の注意点を分かりやすく解説します。

結論

海外に住む家族を扶養に入れるには、親族関係書類と送金関係書類の提出が必要です。

また、30歳以上70歳未満の親族は、留学生や障害者、年38万円以上の送金がある場合を除き対象外となります。

外国語の書類には必ず日本語訳を添付し、家族ごとに個別に送金しているか確認しましょう。

国外居住親族の扶養控除とは

国外居住親族の扶養控除とは、日本国外に生活の拠点がある親族を扶養する場合に受けられる税制上の控除です。

従業員本人の所得税や住民税が軽減されるため、外国籍の従業員から相談を受ける機会が増えています。

制度を適用するには、生計を一にしていることや、年間所得が一定以下であることなどの条件を満たす必要があります。

生計を一にすることの意義

生計を一にするととは、日常の生活資金を共にしている状態を指します。

同じ家屋で暮らしていなくても、生活費の送金が常態化していれば該当します。

海外に住んでいる場合、定期的な生活費や教育費の送金が行われていることが前提となります。

国内の扶養控除との主な違い

国内に住む親族と異なり、口頭や自己申告だけで扶養関係を証明することはできません。

公的な証明書や銀行の送金記録など、客観的な証拠書類の提出が法令で義務付けられています。

制度の悪用を防ぐため、近年は確認作業や提出書類の基準がより厳格化されています。

扶養控除の対象となる条件

国外居住親族が扶養控除の対象になるには、年齢や送金額に関する一定の基準をクリアする必要があります。

特に年齢によって求められる要件が大きく異なるため、事前の確認が非常に重要です。

16歳以上30歳未満・70歳以上

16歳以上30歳未満、および70歳以上の親族は、従来通り基本的な要件を満たせば控除対象となります。

年間の合計所得金額が48万円以下であり、定期的な送金が行われていれば適用できます。

ただし、16歳未満の親族については、国内同様に扶養控除の対象外となりますので注意してください。

30歳以上70歳未満の例外条件

30歳以上70歳未満の親族は、原則として扶養控除の対象から除外されています。

就労して自活できる世代であるため、税制上の優遇措置が見直されたことが背景にあります。

ただし、自活が困難である以下の特定条件に該当する場合は、例外的対象として認められます。

区分 対象となる条件 必要となる追加書類
留学生 外国の大学等へ留学中 留学ビザ等の書類
障害者 障害をお持ちの方 障害の状態を示す書類
38万円以上送金 年38万円以上の生活費送金 38万円以上の送金書類

自活できる年代については、真に支援が必要なケースに限定するためのルールとなっています。

従業員から相談を受けた際は、まず対象となるご家族の生年月日を確認することが先決です。

提出が必要な書類と確認項目

手続きには、主として「親族関係書類」と「送金関係書類」の2種類の書類が必要です。

これらの書類が揃っていない場合、会社として扶養控除を適用することはできません。

親族関係書類の具体例

親族関係書類とは、国外居住者が従業員の親族であることを証明する公的書類です。

戸籍の附票の写しや、外国政府が発行した出生証明書・婚姻証明書などが該当します。

外国政府発行の証明書を使う場合は、パスポートのコピーも合わせて提出を受けます。

書類によって記載されている家族構成が異なるため、続柄が明記されているか確認しましょう。

送金関係書類の具体例

送金関係書類とは、従業員がその親族に生活費等を支払ったことを証明する書類です。

外国為替取引の控えや、クレジットカードの利用明細書などがこれに当たります。

年間の送金合計額や、誰から誰へ送られたかが明記されている必要があります。

1年間を通じて複数回送金している場合は、すべての控えを集める必要があります。

日本語訳の添付ルール

外国語で作成された書類には、必ず日本語の翻訳文を添付しなければなりません。

翻訳は専門業者でなくても構いませんが、翻訳者の氏名や住所の記載が求められます。

原文と訳文がセットで提出されているかを、会社側で厳格にチェックしてください。

実務でよくあるつまずきポイント

国外居住親族の扶養手続きでは、書類の形式や送金方法によるトラブルが頻発します。

現場で混乱しやすい事例を把握し、事前の周知徹底を図ることが大切です。

現金手渡しや一括送金の不可

母国へ帰国した際に手渡しで渡した現金は、送金証明として一切認められません。

必ず金融機関や公式な決済サービスを経由した記録を残す必要があります。

また、家族の代表者1人にまとめて送金した場合も、他の家族への送金とは認められません。

扶養に入れたい家族が複数いる場合は、それぞれ個別に送金を行うことが原則です。

送金回数と金額の確認

扶養家族が複数いる場合は、名義人ごとに個別の送金記録が必要となります。

また、30歳以上70歳未満の区分では、1人あたり年間38万円以上の送金実績が必須です。

為替レートの変動により、円建てでの送金額が38万円未満にならないよう注意が必要です。

年末近くになって慌てないよう、年間の送金ペースを事前に確認してもらいましょう。

経理・労務体制の整備と外部活用

外国籍従業員が増えると、扶養確認や書類の検品作業に膨大な時間がかかります。

誤った適用をすると、後からの追徴課税や年末調整のやり直しが発生します。

社内での確認作業を効率化するため、提出書類のチェックリストを作成しましょう。

従業員向けに母国語での説明資料を用意することも効果的な防止策です。

提出期限の間際になって書類不備が発覚するのを防ぐため、早期の案内が重要です。

複雑な確認作業でお困りの場合は、社外の専門サービスを利用することも選択肢です。

自社に合った経理代行サービスを導入することで、確認漏れのリスクを大幅に削減できます。

専門家のノウハウを活用することで、担当者の負担を劇的に軽減できます。

よくある質問

Q. 外国語の書類は誰が日本語訳を作成してもよいですか?

A. 翻訳者に特別な資格は必要ないため、従業員本人や社内のスタッフが翻訳しても問題ありません。ただし、誰が翻訳したかを明確にするため、翻訳者の氏名・住所・連絡先を余白等に記載してください。

Q. クレジットカードの家族カードによる決済は送金書類になりますか?

A. はい、親族が家族カードで買い物をし、その代金を従業員の口座から引き落としている場合は送金関係書類として認められます。カードの利用明細と引き落とし口座の記録をセットで保管してください。

Q. 年の途中で国外居住親族を扶養に追加することはできますか?

A. 年末調整のタイミングで提出を受ければ、その年の最初まで遡って扶養控除を適用できます。ただし、その年に行われた送金実績や必要書類がすべて揃っていることが前提となります。

Q. 家族3人分をまとめて1人の口座に送金した場合は認められますか?

A. 原則として認められません。扶養控除を受けるためには、扶養したい家族それぞれに対して個別に送金した証明が必要です。受取人ごとに口座を分けて送金するよう案内してください。

まとめ

海外に住む家族を扶養に入れる際は、親族関係書類と送金関係書類の確認が必須です。

特に30歳以上70歳未満の親族は、留学や38万円以上の送金などの要件を満たす必要があります。

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最終更新日:【2026年9月30日】

この記事の監修者

君和田 昭一

税理士

君和田 昭一

税理士としての基本業務に加えて当事務所では人事労務・FPなどの総合的観点から中小企業経営をご支援したいと考えております。

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